I’m a dispatcher.

まさに、私のような、片田舎に棲む還暦すぎの老人には、なかなか縁遠い職種。しかし今年1月から私はこの職業機会に就いている。正直、昨年の夏、60歳で勤め先の定年を迎えて以来、秋が深まっても失業状態だった。倉敷という地方都市では、なかなか再雇用の機会にも恵まれにくい、ましてやコロナ禍の真っ盛りのころなので、さまざまな面接を受けたり、派遣業社の紹介に頼ったりしたけど、全然だめだった。そろそろ、失業保険の支給最終日も迫っていたので、気持ち的にはかなり焦っていた。

ところが、1件だけ、この私を拾ってくれたのが、今の勤務先である。ヘリコプター、軽飛行機の運航、操縦者教育訓練などを生業とする、小規模な航空会社だ。とはいっても航空会社には必須の職務として運航管理というものがある。それがdispatcherなのだ。大手の定期便を担う航空会社ならば、国家資格を取得する必要もあるようだが、今の職場ではフルタイムパートという処遇なので、そこまでは要求されてはいない。ただし、職務上、「航空特殊無線技士」の資格は取得した。

というわけで、まもなくこの仕事も1年が経過しようとしている。まったく早いものだ。空の運航の安全を見守るという意味で、とてもやりがいもあり、気も引き締まる。その一方で、大きな荷物を運んで足腰を傷めるようなことはない。むしろこれまでの経歴の中で、情報処理技術者の国家資格の学習の際に理解を深めたデータベースに関するスキルが活用できている。

そのうえ、飛行場敷地内にある事務所にいるため、一日中、エアバンドを聴いていられるし、自らカンパニー無線に応答する業務もある。生来の無線オタクにはたまらない仕事だ。ほんとうにこういう機会を与えられたことを感謝するばかりだ。あと数年、せめて年金を受給できる年齢まで勤続させていただきたいと願っている。