喫煙のガジェット

このブログが続く限り、この類のガジェットについては、ときどき語るつもりだ。何を言われようが、私は筋金入りのスモーカーだった。少なくとも2021年の夏までは。あの入院騒動を経て、いわゆる「たばこ」を嗜むことを「卒業」せざるを得なくなった。でもまぁ、喫煙者の気持ちはよくわかるし、その「嗜み」は日常の句読点だと理解している。珈琲館や、バーカウンターで、染みわたる音楽と溶け合うように、煙をくゆらせる瞬間に、和む心情も、沸き上がる新たな発想もすべては、この「嗜み」がよききっかけとなっているとさえ思う。

おりしも、数年前から新たに興味をもって、試していたのがVAPEだ。詳細な説明は割愛するが、写真のようなMODという器具に、好みの「味や香り」のリキッドを入れて、電熱コイルで気化させて、まさに喫煙する。ニコチンを摂取したければ、プルームテックのカプセルを組み合わせることもできる。


そもそもそこまでして、煙を吸って、吐きたいのかと尋ねられるだろうけど、そのとおり、そうしたいのだ。何とも言えない、爽快感、そして安堵感を味わえるのだ。こればっかりは、その「嗜み」をきちんと受け止めなければ、理解できるわけがない。副流煙問題がなければ、私は喫煙者がここまで、肩身の狭い思いをさせられるのは、あまりにも理不尽だ(こんなことを書くことすら、憚られるような風潮が、いかがなものかとも思う。

このMODは、ずいぶんと古い型になってしまったが、それでもVAPEの愛好者の中では、けっこうな人気を維持している。詳細については、また改めて、深堀してお伝えする。

心の止まり木で乾杯!

タンカレーというジンがある。蒸留を4回も繰り返してつくられていて、故ケネディ大統領が好んだといわれている。松脂の香りと癖の強い味にはまって、若いころは、バーに行くと必ずロックで嗜んでいたものだ。

気が利くバーテンダーなら、もちろんレモンかライムの好みを尋ねてくる。もっといえば、頼まずとも、チェイサーを添えてくるならば、必ずそのバーはお気に入りの店となる。この癖の強いジンに初めて出逢ったとき、なぜかとても懐かしい感じがしたことをいまだに憶えている。このタンカレーのロックがあれば、何かを食さずとも、十分にそれだけを堪能できる。誰かと話し込みたいときであろうが、一人きりの時であろうが、3杯もやれば、間違いなく酔える。しかも、なんだか頭がさえわたる気がするから不思議だ。もちろん蒸留酒なので酔い覚めも良い。

そんな気の利いた店に居合わせた飲み友達とは、必ず長い付き合いになる。今はそんなバーに行く機会も皆無になったけれども、タンカレーのロックさえあれば、いつでもあの頃に戻れるだろうし、なつかしい飲み友達に再会できそうな気さえする。

そんな雰囲気の良いバーのカウンターに、一輪でもいいから、好きな花があるだけで、タンカレーの味わいが一層深まるし、気持ちが癒される。実は、女優の五十嵐淳子さんが品種開発されたもので、ご自分のお店の名前と同じ「パストーン」というオリジナルの薔薇があるのだが、四半世紀ほど前に、五十嵐さんとご縁があってお仕事をさせたいただいたことがある。実に奥深いローズパストーンの色は、深みのある赤。品なく、自己主張をしているわけではない。むしろ地味な印象すらある。そこにあるだけで、気持ちが和む、そんなじんわりと伝わってくる存在感が素敵なのだ。まるでオーナーの五十嵐さんのようだと思えてしまう。

必要以上に、自分を誇示し、価値観に固執するあまりに、周囲の人を傷つけてしまったり、挙句の果てには、自分自身が輝いているはずの場所から去ることになったり、あの忌まわしいコロナウィルスとともに、そんな理不尽な歪みが世の中に蔓延っている気がする、だからこそ、私たちは、人を思う素直な心や一生懸命な立ち居振る舞いを大切にしたいのだ。そして、時にはゆったりと羽を休めることも大事だ

バーのカウンターは、心の止まり木のようなものだという。私の場合は「酒と薔薇」がその止まり木の居心地をさらによくしてくれる。さ、むずかしい理屈はどこかにやって、ゆったりとくつろいでいこうよ。乾杯!